病名

【低リスク型HPV】尖圭コンジローマ(コンジローム)

尖圭(せんけい)コンジローマとは、性器にイボのようなものできる性感染症(STI)の一つです。

低リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した状態のことで、感染すると免疫力が低下することからHIVへの感染リスクが大幅に増加すると言われています。

まずは尖圭コンジローマの特徴について、表にまとめましたのでご覧ください。

原因 性行為全般、性行為に類似する行為
性行為以外での感染 あり
(ほとんどの人がウイルスを保持しているため)
症状 男女:肛門や陰部の周りにイボ
検査 分泌液による検査
(視診による検査も一般的)
検査費用 自由診療:10,000円程度
保険適用:2,000円程度
治療 【治療期間】
2週間程度
【治療方法】
軟膏の塗布
※切除や冷凍・焼却など様々な方法があります。
治療費用 自由診療:10,000円程度
保険適用:1,500円程度
潜伏期間 不明
(多くの人がウイルスを保持しているため)
備考欄 低リスク型HPVと呼ばれることもある。
逆に、高リスク型HPVは子宮頸がんのこと。

それぞれの項目について詳しく解説していくと共に、どうすればいいのかなどについても紹介していきます。

尖圭コンジローマとは?

尖圭(せんけい)コンジローマとは、性器にイボのようなものできる性感染症(STI)の一つです。コンジローマ、コンジロームとも呼ばれることがあります。

原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)は、ありふれたウイルス現在までにおよそ100種類以上発見されています。

さらに、性行為をしたことがある人のおよそ8割が一度は感染したことがあると言われており珍しいウイルスではありません。

通常は、一過性の感染で自然治癒しますが免疫力の低下などで持続的に感染しその結果イボができてしまうことを尖圭コンジローマと呼びます。

この時に感染するHPVの種類が低リスク型なため、別名『低リスク型HPV』とも呼ばれているのです。

尖圭コンジローマの潜伏期間

不明

尖圭コンジローマはありふれたウイルスなため、潜伏期間という概念があまりありません。

患者数の推移

上記は、国立感染症研究所が発表している図を引用したものです。

年齢別の患者数の推移をグラフ化しています。

2017年以降若干ですが、増加傾向にあります。

尖圭コンジローマの原因

パピローマウイルス粒子
(ヒト、ウシ、ウサギ等全てのパピローマウイルス粒子は正十二面体の同じ形状をしている)
(国立感染症研究所ウイルス第二部 松倉俊彦主任研究官提供)

尖圭コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)6、11型などが原因となるウイルス性の性感染症です。

HPVは、一般的に保持している可能性が高いウイルスなため感染経路を特定することは難しいです。

詳しい内容についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

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尖圭コンジローマの症状

ここからは尖圭コンジローマの詳しい症状についてみていきましょう。

◆肛門や陰部の周りにイボ

尖圭コンジローマの症状は、イボなどができるため非常にわかりやすいです。

放置すると、HIVへの感染リスクが高まると言われているため早めに検査・治療するのがいいでしょう。

尖圭コンジローマの検査

尖圭コンジローマの検査は、一般的に視診・触診などによる診察で判断がつきます。

希望する場合には、綿棒で分泌液を拭うことで検査できるところもあります。

尖圭コンジローマの検査についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【低リスク型HPV】尖圭コンジローマの検査方法ってどんなことをするの?即日での検査や検査費用!尖圭(せんけい)コンジローマとは、性器にイボのようなものできる性感染症(STI)の一つです。 低リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV...

検査費用

検査費用 【保険適用】
2,000円程度
【自由診療】
10,000円程度

検査費用は、保険適用する保険診療保険適用をしない自由診療なのかによって違ってきます。

検査費用、治療費ともに保険診療の方が安いです。

しかし保険診療での検査や治療を受けた際には、年明けに届く『医療費のお知らせ』と呼ばれる明細書に記載されてしまいます。

自宅に届く場合には、家族が開封することで治療を受けていることがバレてしまうかも知れません。

その点、自由診療の場合、『医療費のお知らせ』などに記載されることはないため家族にバレることなく治療することができるのです。

そのため性病検査(性感染症検査)では、自由診療で治療する人が多くいます。

とは言っても、保険診療の方が安く済むので、特にバレたくないなどの理由がない方は保険診療で治療するのがいいでしょう。

性病の検査で保険診療を受けるに当たっては、『実際に症状が出ている』必要があります。

具体的には性行為後からむず痒い、赤みがある、痛みがあるなどです。

『なんとなく心配だから検査をしたい』『定期的に受けたい』

という場合には保険診療することができませんので注意してください。

性病検査(性感染症検査)における保険診療について詳しくはこちらをご覧ください。

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検査の結果がわかるまでの期間

通常はその場でわかります。

ただ分泌液などによる検査を希望する場合は、数日程度かかる場合があります。

事前に気になる方は医療機関へ問い合わせておきましょう。

治療方法

実際に尖圭コンジローマになってしまった場合の治療方法について紹介していきます。

自然治癒可能か、治療の費用や期間、尖圭コンジローマの治療薬や市販薬などについて触れていきます。

梅毒の自然治癒は可能か?

結論から言えば、不可です。

尖圭コンジローマは、ほとんどの場合自然治癒することはありません。

稀にですが、感染初期で免疫力が高い場合自然治癒しているように感じることもあるそうです。

しかし、感染している場合ウイルスが完全に体内からいなくなることはほぼなく、再発するなどの危険性があります。

治療することで治りますので早期に治療を行うようにしてください。

尖圭コンジローマの治療方法・費用・期間

尖圭コンジローマの治療費用は、保険診療か自由診療か、さらには治療方法によって異なります。

以下に大まかな目安をまとめましたので参考にしてください。

方法 切除治療 塗り薬 液体窒素
保険診療での費用 10,000円程度 6,000円程度
(一回1,500円)
6,000円程度
(一回1,500円)
自由診療での費用 30,000円程度 18,000円程度 18,000円程度
メリット 一回の処置で終わる 病院に行く回数が少ない 病院に行く回数だけで治療が終わる
デメリット 再発するリスクが高い。 毎日塗らないといけない。 病院に通わないといけない。
治療期間の目安 1日 1~2ヶ月程度 1~2ヶ月程度

となっています。

症状や医療機関によって、治療方法は異なります。

どの方法で治療しているかは医療機関によるので、事前に確認し希望があれば伝えるようにしましょう。

市販薬での治療は可能か?

結論から言えば不可です。

ネットで調べると尖圭コンジローマに有効な内服薬や塗り薬が売ってあります。

しかしそのような薬を購入することは、非常に危険です。

それは、服用する順番や量を間違えてしまうと抗生剤に対する『耐性』が生まれてしまい薬が効かない状態になってしまうからです。

新型コロナウイルスが変異したように、あなたの誤った服用によって新しい細菌が生まれてしまう可能性もあります。

尖圭コンジローマの治療の際には、必ず医療機関を受診し治療してください。

尖圭コンジローマの薬についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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まとめ

最後に尖圭コンジローマの特徴についておさらいしておきましょう。

原因 性行為全般、性行為に類似する行為
性行為以外での感染 あり
(ほとんどの人がウイルスを保持しているため)
症状 男女:肛門や陰部の周りにイボ
検査 分泌液による検査
(視診による検査も一般的)
検査費用 自由診療:10,000円程度
保険適用:2,000円程度
治療 【治療期間】
2週間程度
【治療方法】
軟膏の塗布
※切除や冷凍・焼却など様々な方法があります。
治療費用 自由診療:10,000円程度
保険適用:1,500円程度
潜伏期間 不明
(多くの人がウイルスを保持しているため)
備考欄 低リスク型HPVと呼ばれることもある。
逆に、高リスク型HPVは子宮頸がんのこと。

症状から自分がどの性病(性感染症)になっているのか知りたい、どこの医療機関に行けばいいのかわからないという方はこちらのページで症状別の性病を紹介しているのでそちらも参考にしてみていください。

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