クラミジアは、男女共に無症状な事が多く、気が付きにくい性感染症(STI)の一つです。
まずはクラミジアの特徴について、表にまとめましたのでご覧ください。
原因 | 感染している人とのセックス・フェラ・クンニ |
---|---|
性行為以外での感染 | 基本的にない |
症状 | 男女ともに、無症状のケースが多い。 【男性】尿道の違和感、痒み 【女性】おりものの増加、臭い |
検査 | 【検査方法】 分泌液による検査 【検査可能時期】 感染より24時間経過後 |
検査費用 | 自由診療:9,000円程度 保険適用:2,000円程度 |
治療 | 【治療期間】 1日〜1週間程度 ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要 【治療方法】 抗菌薬の服用 |
治療費用 | 自由診療:10,000円程度 保険適用:1,500円程度 |
潜伏期間 | 1~3週間 |
備考欄 | 国内で最も多い性感染症の一つ。のどや肛門にも感染することがある。 |
それぞれの項目について詳しく解説していくと共に、どうすればいいのかなどについても紹介していきます。
クラミジアとは?
クラミジアとは、国内で最も多い性感染症(STI)の一つで、クラミジア感染症とも呼ばれています。
感染する部位は、性器だけでなく肛門や喉(のど)などがあります。
咽頭クラミジア

咽頭(いんとう)クラミジアとは、のどに感染したクラミジアのことです。
主に、フェラチオ・クンニリングスなどのオーラルセックス・キスなどによって感染します。
詳しい内容はこちらの記事で解説しております。

肛門クラミジア

肛門(こうもん)クラミジアとは、肛門に感染したクラミジアのことです。
主に、アナルセックスなどによって感染します。
詳しい内容はこちらの記事で解説しております。

患者数の推移と数
年度 | 定点 医療機関数 ※ |
総数 | 男 | 女 |
H.30 | 984 | 25,467 | 12,346 | 13,121 |
R.1 | 983 | 27,221 | 13,947 | 13,274 |
R.2 | 981 | 28,381 | 14,712 | 13,669 |
引用:厚生労働省|性感染症報告数(2004年~2020年)
※ 定点医療機関数は、感染症の状況を把握するために国が調査対象として決定している医療機関数のことです。
上記は、厚生労働省が発表している性感染症報告数から抜き出した表です。
実際のクリニック数などを考慮すると、無症状を含め数十万人〜数百万人の患者がいるとされています。
特に20代〜30代の患者が多く、症状のほとんどが無症状なため無意識の内に広めてしまっている事があります。
クラミジアの原因

引用:国立感染症研究所
クラミジアは、『クラミジア・トラコマチス』(上記画像)という病原体が原因となっており、性行為やオーラルセックス(フェラ・クンニ)などにより感染します。
つまり、すでに感染している人との性行為によって感染するということです。
なので、感染していない人との性行為や体調の変化によってクラミジアになるということはありません。
逆に、カンジダや性器ヘルペスなどの性感染症は、体調の変化などにより性行為をしていなくとも再発することがあります。
詳しい内容についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

クラミジアの症状
ここからはクラミジアの詳しい症状についてみていきましょう。
男性の症状

◆排尿時に違和感・痛み・かゆみを感じる。
◆サラサラとした透明な分泌液・粘着性のある膿がでる。
◆悪化すると副睾丸(金玉)が痛み出す。
◆放置をすると男性不妊に繋がる。
クラミジアに感染すると上記のような症状が出ることがあります。
しかし、5割程度の人が無症状であることが多く悪化してから気がつくというケースがほとんどです。
女性の症状

◆排尿時に違和感・痛みを感じる。
◆サラサラとした透明な分泌液・粘着性のある膿がでる。
◆放置をすると不妊に繋がる。
女性の7~8割は無症状と言われており、男性よりも症状に気付きにくくなっています。
そのため悪化した際には、かなりひどい状態のことが多く臓器などにも影響を与えるケースがあります。
男女ともに、疑わしい行為をしたと思えば積極的な検査を行い、早期治療を行いましょう。
クラミジアの検査
クラミジアの検査には大きく分けて、抗原検査(分泌液検査)と抗体検査(血液検査)の2つがあります。
抗原検査は、分泌液(尿や、うがい液)を採取しウイルスを増幅させることで検査する方法です。
この方法のメリットは、感染部位が明確にわかることです。
抗体検査は、血液を採取し検査する方法です。
この方法のメリットは、過去に感染したかどうかわかることです。
抗体検査(血液による検査)では、現在感染しているのかわからない・どの部位に感染しているのかわからないため通常の検査では、抗原検査(分泌液による検査)が行われます。
クラミジアの検査についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

検査費用
検査費用 | 【保険適用】 2,000円程度 【自由診療】 9,000円程度 |
検査費用は、保険適用する保険診療か保険適用をしない自由診療なのかによって違ってきます。
検査費用、治療費ともに保険診療の方が安いです。
しかし保険診療での検査や治療を受けた際には、年明けに届く『医療費のお知らせ』と呼ばれる明細書に記載されてしまいます。
自宅に届く場合には、家族が開封することで治療を受けていることがバレてしまうかも知れません。
その点、自由診療の場合、『医療費のお知らせ』などに記載されることはないため家族にバレることなく治療することができるのです。
そのため性病検査(性感染症検査)では、自由診療で治療する人が多くいます。
とは言っても、保険診療の方が安く済むので、特にバレたくないなどの理由がない方は保険診療で治療するのがいいでしょう。
性病の検査で保険診療を受けるに当たっては、『実際に症状が出ている』必要があります。
具体的には性行為後からむず痒い、赤みがある、痛みがあるなどです。
『なんとなく心配だから検査をしたい』『定期的に受けたい』
という場合には保険診療することができませんので注意してください。
性病検査(性感染症検査)における保険診療について詳しくはこちらをご覧ください。

検査の結果がわかるまでの期間
検査の結果がわかるまでの期間は、通常は数日から1週間程度です。
自由診療の場合、即日で結果がわかる医療機関もあります。
数千円値段が上がっても即日で検査結果が知りたいという方は、自由診療を利用するのもいいでしょう。
治療方法
実際にクラミジアになってしまった場合の治療方法について紹介していきます。
自然治癒可能か、治療の費用や期間、クラミジアの治療薬や市販薬などについて触れていきます。
クラミジアの自然治癒は可能か?
結論から言えば、不可です。
たまたま処方された風邪薬などの抗生剤が、クラミジアに効くことで治ることはあるかもしれませんが通常は、免疫のみで完治するのは難しいです。
長期間の性感染症は、性器に大きな負担をかけてしまうのですぐに治療するのがいいでしょう。
治療を行えば通常1週間程度で完治します。
治療費用と治療期間
クラミジアの治療費用は、保険診療か自由診療かによって異なります。
保険診療の場合:1,500円程度
自由診療の場合:10,000円程度
となっています。
クラミジアの治療には、抗生剤を服用します。
医療機関によって若干違いはありますが、マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗生物質を使用することが多いです。
また、服用期間は薬の種類によって違いますが、抗生剤の一回投与を行い、1週間程度で終わる場合がほとんどです。
治ったかの確認
別の治療の際に抗生剤を服用しており、耐性が出来ている場合、他の抗生剤を使用しなければなりません。
そのため薬の服用後、治ったかの確認のため検査を行うことがあります。
服用完了後、3~4週間程度あけて検査するのが一般的です。
クラミジアの治療薬
・ジスロマック
・クラリスロマイシン
・クラビット
クラミジアの治療には上記のような薬が処方されます。
どの薬を処方するかは医師の判断になるので、必ず従うようにしてください。
市販薬での治療は可能か?
結論から言えば不可です。
上記のような薬をネットなどで購入することもできますが、非常に危険です。
それは、服用する順番や量を間違えてしまうと抗生剤に対する『耐性』が生まれてしまい薬が効かない状態になってしまうからです。
新型コロナウイルスが変異したように、あなたの誤った服用によって新しい細菌が生まれてしまう可能性もあります。
クラミジアの治療の際には、必ず医療機関を受診し治療してください。
クラミジアの薬についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ
最後にクラミジアの特徴についておさらいしておきましょう。
原因 | 感染している人とのセックス・フェラ・クンニ |
---|---|
性行為以外での感染 | 基本的にない |
症状 | 男女ともに、無症状のケースが多い。 男性:尿道の違和感、痒み 女性:おりものの増加、臭い |
検査 | 【検査方法】 分泌液による検査 【検査可能時期】 感染より24時間経過後 |
検査費用 | 自由診療:9,000円程度 保険適用:2,000円程度 |
治療 | 【治療期間】 1日〜1週間程度 ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要 【治療方法】 抗菌薬の服用 |
治療費用 | 自由診療:10,000円程度 保険適用:1,500円程度 |
潜伏期間 | 1~3週間 |
症状から自分がどの性病(性感染症)になっているのか知りたい、どこの医療機関に行けばいいのかわからないという方はこちらのページで症状別の性病を紹介しているのでそちらも参考にしてみていください。
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