病名

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、性器やその周辺に、痛み・かゆみ・不快感などを伴う⽔ぶくれができる病気で性感染症の一つです。

単に性器周辺にできるヘルペスと捉えてもらっても構いません。

ヘルペスは、単純ヘルペスウィルス1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染によって、浅い潰瘍性または水疱性病変を形成します。

初めて感染する際は、強く症状が出ることがありますが、再発時には軽症であることが多く、約60%程度の人は症状に気がつかないと言われています。

ストレスや疲れ、生理や風邪などによって、免疫力が落ちている時に再発します。

まずは性器ヘルペスの特徴について、表にまとめましたのでご覧ください。

原因 感染している人とのセックス・フェラ・クンニ・キス・ディープキス
タオルの使い回し、トイレの便器
性行為以外での感染 あり
(ウイルスが付着したものを利用することによる感染)
症状 痛み・かゆみ・不快感などを伴う⽔ぶくれ
検査 【検査方法】
分泌液による検査
【検査可能時期】
感染より24時間経過後
検査費用 自由診療:9,000円程度
保険適用:2,000円程度
治療 【治療期間】
1週間〜10日程度
ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要
【治療方法】
抗菌薬の服用
治療費用 自由診療:10,000円程度
保険適用:1,500円程度
潜伏期間 2~10日
備考欄 一度ウイルスに感染すると、完全にウイルスを体内から排除することはできません。
忙しい時などで、免疫力が低下すると何度も再発してしまいます。

それぞれの項目について詳しく解説していくと共に、どうすればいいのかなどについても紹介していきます。

性器ヘルペスとは?

性器ヘルペスとは、性器やその周辺に、痛み・かゆみ・不快感などを伴う⽔ぶくれができる病気で性感染症の一つです。

感染する部位は、性器だけでなく、お尻、太ももなどがあります。

特に性器周辺にできるヘルペスなため、性器ヘルペスと呼んでいますが、口周りなどにできるヘルペスと原因は同じです。

性器ヘルペスの原因

単純ヘルペスウイルス2型の電子顕微鏡像

性器ヘルペスは、上記画像のようなウイルスが原因となっており、性行為全般、タオルの使い回し、トイレの便座などによって感染します。

特に水ぶくれが出来ている状態の時は、ウイルスの量が多いため感染しやすくなっています。

性器ヘルペスの症状がある際は、性行為などの接触行為は控えておきましょう。

また、通常の口周りにできるヘルペスも、性器周辺に移りますので性行為は同じく控えましょう。

性器ヘルペスの潜伏期間と感染経路

潜伏期間:2~10日
感染経路:性行為全般、ウイルスが付着していればどこでも

潜伏期間とは、感染機会(性行為など)から症状を発症するまでの期間のことです。

性器ヘルペスでは、1〜3週間程度と言われています。

感染後すぐには症状が出ない点に注意してください。

ただ後ほど詳しく紹介しますが、検査が可能になる時期については感染機会(性行為など)から24時間後なので、疑わしい場合は検査をすることができます。

感染経路については、性行為全般はもちろんのこと、ウイルスが付着していればどこでも感染するため特定するのは非常に難しいです。

性器ヘルペスの症状

ここからは性器ヘルペスの詳しい症状についてみていきましょう。

男性の症状

男性器のイラスト図

◆腫れている・痛みがある。
◆性器のかゆみ。
水ぶくれ・小さなブツブツがある。
◆神経痛

男性の場合、性器ヘルペスに感染すると上記のような症状が出ることがあります。

他にも、赤茶色の水ぶくれや、神経痛などの痛みを伴う場合があります。

体調によって症状が悪化する場合も多く、初めての感染は症状が強く出やすいとも言われています。

女性の症状

◆腫れている・痛みがある。
◆性器のかゆみ。
◆水ぶくれ・小さなブツブツがある。
◆神経痛

女性の場合も男性と同様、性器ヘルペスに感染すると上記のような症状が出ることがあります。

症状自体に男女差はあまりなく、男性と同様に赤茶色の水ぶくれや、神経痛などの痛みを伴う場合があります。

また体調によって症状が悪化する場合も多く、男性と同様、初めての感染は症状が強く出やすいとも言われています。

性器ヘルペスの検査

性器ヘルペスの検査は通常、視診と分泌液による検査となります。

視診とは、字の通りで医師が診て診察することです。

分泌液による検査とは、水疱などができている場合にその浸出液を採取して検査することです。

多くの場合は、問診と視診による診察で判断が可能です。

検査費用

検査費用 【保険適用】
2,000円程度
【自由診療】
9,000円程度

性器ヘルペスの検査にかかる費用は上記のようなイメージです。

性病検査における保険診療について詳しくはこちらをご覧ください。

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検査の結果がわかるまでの期間

検査の結果がわかるまでの期間は、その場でわかることがほとんどです。

治療方法

性器ヘルペスは一度感染すると、体内から完全にウイルスを排除することはできません。

ただウイルスの増殖を抑えるなどすることで、症状を抑えることができます。

性器ヘルペスについて、自然治癒可能か、治療の費用や期間、治療薬や市販薬などについて触れていきます。

性器ヘルペスの自然治癒は可能か?

完治はすることはありませんが、自然と症状はおさまる事があり、自然治癒でも、3週間程あれば多くの場合が改善しています。

ただ適切な治療を行う場合は、1週間程度でおさまるため医療機関に受診し治療するのがいいでしょう。

治療費用と治療期間

性器ヘルペスの治療費用は、保険診療か自由診療かによって異なります。

保険診療の場合:1,500円程度

自由診療の場合:10,000円程度

となっています。

性器ヘルペスの治療には、主に抗生剤を服用します。

軽度の場合は、軟膏を塗布して治療することもあります。

稀にですが、重度の性器ヘルペスの場合、入院して点滴治療が必要なケースもあります。

医療機関によって違いはありますが、バラシクロビル、ファムシクロビル、アシクロビルの三種類の薬のいずれかが処方される事が多いです。

また、服用期間は薬の種類によって違いますが、1週間程度の服薬で終わる場合がほとんどです。

治ったかの確認

性器ヘルペスは症状が治まったとしても、ウイルスが体内の神経系に潜んでいます。

そのため、完治することはありません。

症状が治れば、治ったと考えて良いですが、体調の状況によって再発する事があるので注意しましょう。

体に大きな負担をかけなければ、何度も再発するということは稀です。

性器ヘルペスの治療薬

・バラシクロビル
・ファムシクロビル
・アシクロビル

性器ヘルペスの治療には上記のような薬が処方されます。

どの薬を処方するかは医師の判断になるので、必ず従うようにしてください。

市販薬での治療は可能か?

結論から言えば不可です。

上記のような薬をネットなどで購入することもできますが、非常に危険です。

それは、服用する順番や量を間違えてしまうと抗生剤に対する『耐性』が生まれてしまい薬が効かない状態になってしまうからです。

新型コロナウイルスが変異したように、あなたの誤った服用によって新しい変異ウイルスが生まれてしまう可能性もあります。

性器ヘルペスの治療の際には、必ず医療機関を受診し治療してください。

性器ヘルペスの薬についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

性器ヘルペスの薬はどれ?市販薬や、薬だけもらう方法『ネットで調べたら、この症状は性器ヘルペスなのかも...』 『とりあえず薬を飲んで治るか試してみたい』 『パートナーの分の薬も欲しい...

まとめ

最後に性器ヘルペスの特徴についておさらいしておきましょう。

原因 感染している人とのセックス・フェラ・クンニ・キス・ディープキス
タオルの使い回し、トイレの便器
性行為以外での感染 あり
(ウイルスが付着したものを利用することによる感染)
症状 痛み・かゆみ・不快感などを伴う⽔ぶくれ
検査 【検査方法】
分泌液による検査
【検査可能時期】
感染より24時間経過後
検査費用 自由診療:9,000円程度
保険適用:2,000円程度
治療 【治療期間】
1週間〜10日程度
ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要
【治療方法】
抗菌薬の服用
治療費用 自由診療:10,000円程度
保険適用:1,500円程度
潜伏期間 2~10日
備考欄 一度ウイルスに感染すると、完全にウイルスを体内から排除することはできません。
忙しい時などで、免疫力が低下すると何度も再発してしまいます。

症状から自分がどの性病になっているのか知りたい、どこの医療機関に行けばいいのかわからないという方はこちらのページで症状別の性病を紹介しているのでそちらも参考にしてみていください。

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