トリコモナスは、原虫と呼ばれる微生物が性器内に入り込み炎症を起こす性感染症(STI)の一つです。
男性女性で寄生する箇所が違っており
男性:前立腺・精のう・尿道
女性:膣内・子宮頸管・膀胱・尿道
などに寄生します。
まずはトリコモナスの特徴について、表にまとめましたのでご覧ください。
原因 | 感染している人とのセックス・フェラ・クンニ・キス・ディープキス 感染している人が使ったタオルの使用、温泉、トイレ便器 |
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性行為以外での感染 | あり (原虫が存在すれば寄生する可能性あり) |
症状 | 男女ともに、匂いがすることが多い 【男性】排尿時の不快感、尿道からの分泌液 【女性】おりものの増加と匂い |
検査 | 【検査方法】 分泌液による検査 【検査可能時期】 感染より24時間経過後 |
検査費用 | 自由診療:9,000円程度 保険適用:2,000円程度 |
治療 | 【治療期間】 1週間〜10日程度 ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要 【治療方法】 抗菌薬の服用 |
治療費用 | 自由診療:9,000円程度 保険適用:2,000円程度 |
潜伏期間 | 5~14日前後 |
備考欄 | 魚の腐ったような匂いがすることが多い。 |
それぞれの項目について詳しく解説していくと共に、どうすればいいのかなどについても紹介していきます。
トリコモナスとは?
トリコモナスとは、腟トリコモナス原虫と呼ばれる原虫が性器に寄生することにより感染する性感染症の一つです。
感染すると強い匂いを発することが多く、魚が腐った匂いがすると言われています。
トリコモナスの感染経路
トリコモナスの感染経路は主に性行為ですが、下着・タオル、浴槽や便器など感染した人が使用したものなどからも感染することがあります。
そのため、一概に性行為のみが感染に繋がるとは言えません。
トリコモナスの原因
腟トリコモナス原虫の画像
トリコモナスは、上記画像のような腟トリコモナス原虫が原因となっています。
感染経路は、先ほど紹介した通りで、性行為以外によっても感染することがあります。
性感染症の感染経路についてはついてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。

トリコモナスの潜伏期間
潜伏期間:5~14日前後
潜伏期間とは、感染機会(性行為など)から症状を発症するまでの期間のことです。
トリコモナスでは、5~14日前後程度と言われています。
検査が可能になる時期については感染機会(性行為など)から24時間後なので、疑わしい場合は検査をすることができます。
トリコモナスの症状
ここからはトリコモナスの詳しい症状についてみていきましょう。
男性の症状

◆尿道のかゆみ、違和感や不快感を感じる。
◆軽い排尿痛、少量の尿道分泌物が出てくる。
◆異臭、魚の腐ったような匂い
トリコモナスに感染すると上記のような症状が出ることがあります。
しかし、5割程度の人が無症状であることが多く悪化してから気がつくというケースがほとんどです。
さらにクラミジアや淋病といった性病と非常に症状が似ているため、クラミジア・淋病の検査で陰性だった場合、見落とされがちです。
マイナーな性病のため軽視されがちですが、しっかりと検査治療を行うことで、症状の悪化を防ぐ事ができます。
女性の症状

◆異臭(魚が腐ったような)の強いおりものの増加
◆膣やその周辺のかゆみ、下腹部の痛みなど
◆放置をすると不妊に繋がる。
女性の2~5割は無症状と言われており、症状に気付きにくくなっています。
ただ女性の場合は、男性の場合よりも匂いが強く出る傾向にあるため気になる場合は注意してみましょう。
特に、クラミジア・淋病の検査が陰性だったが症状が続いている場合などは、トリコモナスの可能性があります。
トリコモナスの検査
トリコモナスの検査は通常、分泌液による検査となります。
分泌液による検査とは尿検査や、膣の分泌物を採取する方法になります。
男性:尿検査
女性:腟分泌物(綿棒での採取)
感染機会(性行為)から24時間後より検査可能となります。
トリコモナスの検査についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

検査費用
検査費用 | 【保険適用】 2,000円程度 【自由診療】 9,000円程度 |
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トリコモナスの検査費用は上記のようになっています。
クラミジア・淋病で陰性なのに、症状が続く場合などは検査してみるのがいいでしょう。
性病検査における保険診療について詳しくはこちらをご覧ください。

検査の結果がわかるまでの期間
検査の結果がわかるまでの期間は、大体が2〜3日程度でわかります。
なかには即日での検査結果がわかるところあります。
治療方法
実際にトリコモナスになってしまった場合の治療方法について紹介していきます。
自然治癒可能か、治療の費用や期間、トリコモナスの治療薬や市販薬などについて触れていきます。
トリコモナスの自然治癒は可能か?
結論から言えば、不可です。
長期間の性病は、性器に大きな負担をかけてしまうのですぐに治療するのがいいでしょう。
治療を行えば通常1週間程度で完治します。
治療費用と治療期間
トリコモナスの治療費用は、保険診療か自由診療かによって異なります。
保険診療の場合:1,500円程度
自由診療の場合:10,000円程度
となっています。
トリコモナスの治療には、抗原虫剤を服用します。
女性の場合は腟錠(腟坐剤)も併用することがあります。
医療機関によって若干違いはありますが、メトロニダゾール、トリニダゾールなどが使われることが多いです。
また、服用期間は薬の種類によって違いますが、1週間〜10日程度で終わる場合がほとんどです。
治ったかの確認
治療が完了し、原虫が寄生していないかの確認する必要があります。
そのため薬の服用後、治ったかの確認のため検査を行うことがあります。
服用完了後、3~4週間程度あけて検査するのが一般的です。
トリコモナスの治療薬
・メトロニダゾール
・トリニダゾール
トリコモナスの治療には上記のような薬が処方されます。
どの薬を処方するかは医師の判断になるので、必ず従うようにしてください。
市販薬での治療は可能か?
結論から言えば不可です。
上記のような薬をネットなどで購入することもできますが、非常に危険です。
それは、服用する順番や量を間違えてしまうと薬により体を危険に晒してしまうからです。
特にトリコモナスの治療薬を服用中はアルコールが禁止されるなど、比較的強めの薬です。
トリコモナスの治療の際には、必ず医療機関を受診し治療してください。
トリコモナスの薬についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ
最後にトリコモナスの特徴についておさらいしておきましょう。
原因 | 感染している人とのセックス・フェラ・クンニ・キス・ディープキス 感染している人が使ったタオルの使用、温泉、トイレ便器 |
---|---|
性行為以外での感染 | あり (原虫が存在すれば寄生する可能性あり) |
症状 | 男女ともに、匂いがすることが多い 【男性】排尿時の不快感、尿道からの分泌液 【女性】おりものの増加と匂い |
検査 | 【検査方法】 分泌液による検査 【検査可能時期】 感染より24時間経過後 |
検査費用 | 自由診療:9,000円程度 保険適用:2,000円程度 |
治療 | 【治療期間】 1週間〜10日程度 ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要 【治療方法】 抗菌薬の服用 |
治療費用 | 自由診療:9,000円程度 保険適用:2,000円程度 |
潜伏期間 | 5~14日前後 |
備考欄 | 魚の腐ったような匂いがすることが多い。 |
症状から自分がどの性病になっているのか知りたい、どこの医療機関に行けばいいのかわからないという方はこちらのページで症状別の性病を紹介しているのでそちらも参考にしてみていください。
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