クラミジアは、男女共に無症状な事が多く、気が付きにくい性感染症(STD)の一つです。
セックス、オーラルセックス、キスなどにより感染し、咽頭に感染してしまった場合『咽頭クラミジア』と呼びます。
まずは咽頭クラミジアについての特徴を表にまとめましたのでご覧ください。
原因 | 感染している人とのフェラ・クンニ ディープキスなど |
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性行為以外での感染 | 若干あり (キスによる感染) |
症状 | 無症状や風邪に近い症状が多い 【男女】喉の腫れ、痛み(風邪に近い) |
検査 | 【検査方法】 分泌液による検査 【検査可能時期】 感染より24時間経過後 |
検査費用 | 【保険適用】 2,000円程度 【自由診療】 9,000円程度 |
治療法 | 【治療期間】 1日〜1週間程度 ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要 【治療方法】 抗菌薬の服用 |
治療費用 | 自由診療:10,000円程度 保険適用:1,500円程度 |
潜伏期間 | 1〜3週間 |
備考欄 | クラミジア・淋病に感染した人の10〜30%は咽頭にも、感染が疑われます |
それぞれの項目について詳しく解説していくと共に、どうすればいいのかなどについても紹介していきます。
通常のクラミジアについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

咽頭(いんとう)クラミジアとは
咽頭クラミジアは、のどに感染してしまったクラミジアのことをいいます。
通常のクラミジアと同じで、無症状のことが多く、気が付かないうちに他の人へ感染させてしまっていることがあります。
近年では特に、オーラルセックス(フェラ・クンニなど)への抵抗が薄くなっており感染数が増えています。
患者数の推移と数
年度 | 定点 医療機関数 ※ |
総数 | 男 | 女 |
H.30 | 984 | 25,467 | 12,346 | 13,121 |
R.1 | 983 | 27,221 | 13,947 | 13,274 |
R.2 | 981 | 28,381 | 14,712 | 13,669 |
引用:厚生労働省|性感染症報告数(2004年~2020年)
※ 定点医療機関数は、感染症の状況を把握するために国が調査対象として決定している医療機関数のことです。
上記は、厚生労働省が発表している性感染症報告数から抜き出した表です。
実際のクリニック数などを考慮すると、無症状を含め数十万人〜数百万人の患者がいるとされています。
特に20代〜30代の患者が多く、症状のほとんどが無症状なため無意識の内に広めてしまっている事があります。
咽頭クラミジアの原因

クラミジアは、『クラミジア・トラコマチス』(上記画像)という病原体が原因となっています。
つまり、すでに感染している人との性行為によって感染するということです。
なので、感染していない人との性行為や体調の変化によってクラミジアになるということはありません。
逆に、カンジダや性器ヘルペスなどの性感染症は、体調の変化などにより性行為をしていなくとも発症することがあります。
詳しい内容についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

咽頭クラミジアの症状
ここからは咽頭クラミジアの症状についてみていきます。

◆のどの痛み・腫れ・咳・発熱など風邪に近い
◆喉の見た目には変化がない
咽頭クラミジアに感染すると上記のような症状が出ることがあります。
しかし多くの人は無症状であったり、風邪と勘違いしてしまうため中々気がつく事ができません。
悪化してしまうと、咽頭炎や扁桃腺炎を併発してしまうので早期発見・治療が重要です。
咽頭クラミジアの検査
咽頭クラミジアの検査は、うがい液によって行います。
専用の液体でうがいを行い、その液体の中に混入したウイルスを検査することで調べることができます。
より詳しい検査方法についてはこちらの記事で解説しているので参考にしてください。

検査費用
検査費用 | 【保険適用】 2,000円程度 【自由診療】 9,000円程度 |
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検査費用は、保険適用する保険診療か保険適用をしない自由診療なのかによって違ってきます。
検査費用、治療費ともに保険診療の方が安いです。
しかし保険診療での検査や治療を受けた際には、年明けに届く『医療費のお知らせ』と呼ばれる明細書に記載されてしまいます。
自宅に届く場合には、家族が開封することで治療を受けていることがバレてしまうかも知れません。
その点、自由診療の場合、『医療費のお知らせ』などに記載されることはないため家族にバレることなく治療することができるのです。
そのため性病検査では、自由診療で治療する人が多くいます。
とは言っても、保険診療の方が安く済むので、特にバレたくないなどの理由がない方は保険診療で治療するのがいいでしょう。
性病の検査で保険診療を受けるに当たっては、『実際に症状が出ている』必要があります。
具体的には性行為後からむず痒い、赤みがある、痛みがあるなどです。
『なんとなく心配だから検査をしたい』『定期的に受けたい』
という場合には保険診療することができませんので注意してください。
性病検査における保険診療について詳しくはこちらをご覧ください。

検査の結果がわかるまでの期間
検査の結果がわかるまでの期間は、通常は数日から1週間程度です。
自由診療の場合、即日で結果がわかる医療機関もあります。
数千円値段が上がっても即日で検査結果が知りたいという方は、自由診療を利用するのもいいでしょう。
治療方法
実際に咽頭クラミジアになってしまった場合の治療方法について紹介していきます。
自然治癒可能か、治療の費用や期間、咽頭クラミジアの治療薬や市販薬などについて触れていきます。
咽頭クラミジアの自然治癒は可能か?
結論から言えば、不可能ではありません。
ただし、自然治癒することはかなり稀なため性器への負担を考えると確実に医療機関で治療することをオススメします。
また自然治癒する場合は1年程度かかるのに対して、治療を行えば通常1週間程度で完治します。
治療費用と治療期間
咽頭クラミジアの治療費用は、保険診療か自由診療かによって異なります。
保険診療の場合:1,500円程度
自由診療の場合:10,000円程度
となっています。
咽頭クラミジアの治療には、抗生剤を服用します。
医療機関によって若干違いはありますが、マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗生物質を使用することが多いです。
また、服用期間は薬の種類によって違いますが、1週間程度で終わる場合がほとんどです。
治ったかの確認
別の治療の際に抗生剤を服用しており、耐性が出来ている場合、他の抗生剤を使用しなければなりません。
そのため薬の服用後、治ったかの確認のため検査を行うことがあります。
服用完了後、3~4週間程度あけて検査するのが一般的です。
咽頭クラミジアの治療薬
・ジスロマック
・クラリスロマイシン
・クラビット
咽頭クラミジアの治療には上記のような薬が処方されます。
どの薬を処方するかは医師の判断になるので、必ず従うようにしてください。
市販薬での治療は可能か?
結論から言えば不可です。
上記のような薬をネットなどで購入することもできますが、非常に危険です。
それは、服用する順番や量を間違えてしまうと抗生剤に対する『耐性』が生まれてしまい薬が効かない状態になってしまうからです。
新型コロナウイルスが変異したように、あなたの誤った服用によって新しい変異ウイルスが生まれてしまう可能性もあります。
咽頭クラミジアの治療の際には、必ず医療機関を受診し治療してください。
咽頭クラミジアの薬についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ
最後に咽頭クラミジアの特徴についておさらいしておきましょう。
原因 | 感染している人とのフェラ・クンニ ディープキスなど |
---|---|
性行為以外での感染 | 若干あり (キスによる感染) |
症状 | 無症状や風邪に近い症状が多い 【男女】喉の腫れ、痛み(風邪に近い) |
検査 | 【検査方法】 分泌液による検査 【検査可能時期】 感染より24時間経過後 |
検査費用 | 【保険適用】 2,000円程度 【自由診療】 9,000円程度 |
治療法 | 【治療期間】 1日〜1週間程度 ただし、治療完了後数週間をあけての再検査が必要 【治療方法】 抗菌薬の服用 |
治療費用 | 自由診療:10,000円程度 保険適用:1,500円程度 |
潜伏期間 | 1〜3週間 |
備考欄 | クラミジア・淋病に感染した人の10〜30%は咽頭にも、感染が疑われます |
症状から自分がどの性病になっているのか知りたい、どこの医療機関に行けばいいのかわからないという方はこちらのページで症状別の性病を紹介しているのでそちらも参考にしてみていください。
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