STI(性感染症)の知識

このページは性感染症に関する知識を学ぶページです。

STI(性感染症)とは?

STI(性感染症)は、sexually transmitted infections(STI)の略で、性行為により伝播して拡がる感染症をSTIと呼んでいます。

ちなみに、性感染症はSTD(Sexually Transmitted Diseases)とも呼ばれていますが当サイトでは、STIで統一して呼んでいます。意味は同じです。

この記事では、以下の項目について紹介していきます。

気になる内容がある方はぜひご覧ください。

  1. STI(性感染症)に感染するとどうなるのか?
  2. STI(性感染症)の症状や感染経路
  3. STI(性感染症)の発見から治療までの流れ
  4. STI(性感染症)の検査方法と費用
  5. STI(性感染症)の治療期間と費用
  6. STI(性感染症)に関するデータ

STI(性感染症)に感染するとどうなるの?

STI(性感染症)に感染し治療を受けない場合、最悪のケースでは死亡するケースも存在します。

またそれ以外にも、不妊の原因になってしまう、他の合併症を併発してしまうなど多くの危険性があります。

ただ多くの性感染症は、治療方法が確立されており治療薬の内服により完治することが可能です。

おかしいかなと思えばすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

STI(性感染症)の症状や感染経路

症状

男性と女性毎の主な症状と病名をまとめました。

男性

気になる症状 考えられる性病
亀頭付近が赤くなり、かゆみがある カンジダ
排尿時に痛みがある・膿が出る クラミジア/淋病/トリコモナス
異臭がある・臭いがいつもと違う マイコプラズマ/ウレアプラズマ/クラミジア/淋病/梅毒/トリコモナス/ヘルペス/カンジダ/一般細菌
水ぶくれ・小さなブツブツがある 梅毒/ヘルペス/カンジダ/一般細菌
ズキズキする痛み・かゆみ マイコプラズマ/ウレアプラズマ/クラミジア/淋病/梅毒/トリコモナス/ヘルペス/カンジダ/一般細菌
腫れている・痛みがある マイコプラズマ/ウレアプラズマ/クラミジア/淋病梅毒/トリコモナス/ヘルペス/カンジダ/一般細菌
太もも付け根あたりのリンパ節が腫れる・発熱 梅毒/性器ヘルペス

女性

気になる症状 考えられる性病
性器周辺にかゆみや痛みを感じる  トリコモナス/カンジダ/性器ヘルペス
排尿時に痛みがある・膿が出る 性器ヘルペス/淋病
あわ状で臭いの強いおりものが出る トリコモナス
酒粕状・カッテージチーズ状のおりものが出る カンジダ
おりものが多く、痛い 淋病/クラミジア
イボができる 尖圭コンジローマ
太もも付け根あたりのリンパ節が腫れる・発熱 梅毒/性器ヘルペス

感染経路と性行為の有無

主要な性感染症(STI)の感染経路と性行為の有無についてまとめました。

性病名 感染経路 性行為以外での感染
クラミジア(性器) セックス 基本的にない
クラミジア(咽頭) フェラ・クンニ
ディープキスなど
若干あり
(キスによる感染)
マイコプラズマ・ウレアプラズマ
 セックス・フェラ・クンニ
ディープキスなど
若干あり
(キスによる感染)
ヘルペス 性行為全般
お風呂、トイレなど
あり
(感染力が強い)
トリコモナス 性行為全般
お風呂、トイレなど
あり
(感染力が強い)
カンジダ 自己感染
性行為全般
あり
淋菌(性器) セックス・フェラ・クンニ
ディープキスなど
若干あり
(キスによる感染)
淋菌(咽頭) フェラ・クンニ
ディープキスなど
若干あり
(キスによる感染)
梅毒 セックス・フェラ・クンニ
ディープキスなど
あり
(感染力が強い)
A型肝炎 性行為全般
不衛生な状態による感染
あり
B型肝炎・C型肝炎
 性行為全般・輸血
不衛生な状態による感染
あり
HIV 性行為全般・輸血
母乳など
あり
HPV(低リスク・尖圭コンジローマ) 性行為全般
多くの人がウイルスを保持している
あり
HPV(子宮けい癌) 性行為全般
多くの人がウイルスを保持している
あり

STI(性感染症)の発見から治療までの流れ

上記のような症状や感染経路に疑いがある場合、どのように行動すればいいのでしょうか?

そもそも病院は何科に行けばいいのか、どんなことをされるのかなど気になるかと思います。

簡単に流れを説明し、主要な性感染症毎に検査費用の目安や、治療費用の目安について紹介していきます。

STI(性感染症)治療までの流れ

  1. 病院を受診する
  2. 性感染症に関する検査を行う(検査結果まで2日~1週間程度)
  3. 陽性だった場合 治療開始(1週間から1ヶ月程度)
  4. 治療完了後の確認のための再検査(治療後、4週間程度をあけて検査)

上記のような流れになっています。

まず初めに出てくる疑問として何科に行けばいいかですが、STI(性感染症)に関する治療は、泌尿器科、婦人科、性病科などに行けばいいでしょう。

男性の場合は、泌尿器科

女性の場合は、婦人科

男女どちらでも、性病科

となっています。

STI(性感染症)の検査方法と費用

ここからは、主要なSTI(性感染症)の検査方法と費用をまとめました。

自費診療か保険適用かで料金は大きく異なっています。

保険適用と自費診療の違い

以下に保険適用での治療と、自費診療の違いについてまとめましたのでご覧ください。

項目 保険適用 自費診療
対象者 ・症状がある
・もしくは感染の疑いが強くある人
誰でも
負担額 3割程度 全額自己負担
メリット ・費用が安い ・名前を隠して治療可能
・即日検査など検査・治療に幅ができる
デメリット 毎年送られる保険料の資料から、家族にバレる可能性がある 費用が保険治療と比べて高い

保険適用で性感染症の検査・治療を受ける方法についてはこちらで詳しく解説しています。

性病検査を保険適用で費用はいくら?安く受ける方法や、相場を紹介『性病の検査に保険は適用されないって聞いたけど本当?』 『性病の治療は高額になる?』 これらの話は事実ではありません。 性...

検査費用と方法

性病名 主な検査方法 費用の目安
クラミジア(性器) 分泌液による検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
クラミジア(咽頭) 分泌液による検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
マイコプラズマ・ウレアプラズマ 分泌液による検査 自由:9000円程度
保険:保険適用なし
ヘルペス 分泌液による検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
トリコモナス 分泌液による検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
カンジダ 分泌液による検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
淋病(性器) 分泌液による検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
淋病(咽頭) 分泌液による検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
梅毒 血液検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
A型肝炎 血液検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
B型肝炎・C型肝炎
 血液検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
HIV 血液検査 自由:9,000円程度
保険:2,000円程度
HPV(低リスク・尖圭コンジローマ) 分泌液による検査
(視診による検査も一般的)
自由:10,000円程度
保険:2,000円程度
HPV(子宮けい癌) 細胞診検査 自由:10,000円程度
保険:2,000円程度

※検査方法は、各医療機関によって異なる場合があります。

自由:自由診療による金額
保険:保険診療による金額

STI(性感染症)の治療期間と費用

STI(性感染症)の治療も検査と同様に保険適用か、自由診療かで料金は異なります。

メリット・デメリットなどに関しての違いは先ほど説明した通りです。

治療期間と費用

性病名 治療期間 費用の目安
クラミジア(性器) 1日〜1週間程度
抗菌薬の服用
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
クラミジア(咽頭) 1日〜1週間程度
抗菌薬の服用
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
マイコプラズマ・ウレアプラズマ
 1週間程度
抗菌薬の服用
自由:10,000円程度
保険:保険適用なし
ヘルペス 1週間〜10日程度
抗菌薬の服用
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
トリコモナス 1週間〜10日程度
抗菌薬の服用
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
カンジダ 1週間程度
抗菌薬、軟膏、膣錠など
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
淋病(性器) 1日程度
点滴、注射など
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
淋病(咽頭) 1日程度
点滴、注射など
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
梅毒
 2週間〜4週間程度
抗菌薬の服用
自由:10,000円程度
保険:1,500円程度
A型肝炎 ケースバイケース ケースバイケース
B型肝炎・C型肝炎
 ケースバイケース ケースバイケース
HIV ケースバイケース ケースバイケース
HPV(低リスク・尖圭コンジローマ) 2週間程度
軟膏など
自由:10,000円程度
保険:1500円程度
HPV(子宮けい癌) ケースバイケース ケースバイケース

自由:自由診療による金額
保険:保険診療による金額

STI(性感染症)に関するデータ

平成30年9月5日の日本医師会定例記者会見のデータを引用しております。

性感染症の発生動向『梅毒』

性感染症の発生動向『HIV・エイズ』

性感染症の発生動向『性器クラミジア感染症』

性感染症の発生動向『淋菌感染症』

性感染症の発生動向『尖圭コンジローマ』

性感染症の発生動向『性器ヘルペスウイルス感染症』